新居合同税理士事務所では、顧問契約のお客様に毎週、メールにて情報発信をおこなっております。
詳しくは、当事務所の担当者までお問い合わせください。
安倍・菅政権では「成長」分野の税制支援に力を入れていましたが、今回の税制改正は「分配」を重視したものとなっています。
この制度は、平成25年に導入以来、見直しを重ね継続されていましたが、その実効性に疑問が上がっていました。今回の改正は、これまでの中でも最大規模のもの。前年度比1,000億円台後半の減税となります。
(適用対象)青色申告書を提出する法人
(適用期間)令和4年4月1日~令和6年3月31日に開始する事業年度
旧制度では「新規雇用者の給与総額が増加した場合」が優遇対象でしたが、新制度では「継続雇用者の給与総額が増加した場合」が対象となり、その増加額の最大30%の税額控除が適用できます。
継続雇用者の給与総額3%以上増加 15%控除
継続雇用者の給与総額4%以上増加 25%控除
教育訓練費が20%以上増加 控除率+5%
一方、大法人(資本金10億円以上など)の賃上げ率が低い場合には、研究開発税制などの税額控除の適用が制限されます。
中小企業の場合には、雇用者全体の増加率に応じ、最大40%の税額控除が適用できます。
雇用者全体の給与総額が1.5%以上増 15%控除
雇用者全体の給与総額が2.5%以上増 30%控除
教育訓練費が10%以上増加 控除率+10%
出資の対象会社に、設立10年以上・15年未満の売上高に占める研究開発費の割合が 10%以上の赤字会社が追加されました(保有期間も「3年以上」に短縮)。
地方でのネットワーク整備を加速する観点から、3年間の集中投資を促す形となりました。対象設備の要件の見直しや税額控除率の段階的な引き下げが実施されます。
外形標準課税対象法人(資本金1億円超)の年800万円以下の所得に係る軽減税率を廃止し、標準税率を1.0%とします。
消費税については、大きな改正はありませんでしたが、令和5年10月から開始されるインボイス制度(適格請求書等保存方式)の登録方式の見直しなどが行われています。
適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)となるには、消費税の「課税事業者」でなければなりません。この「課税事業者」であるかどうかは、課税期間ごとに判定されるため、これまでの規定では、原則としてインボイス発行事業者の登録も課税期間の中途ではできませんでした(経過措置として令和5年10月1日の属する課税期間については中途登録ができます)。
改正後では、令和5年10月1日から6年間は、免税事業者であっても、課税期間の中途の任意の時期でインボイス発行事業者となることができます(この場合、課税事業者選択届出書の提出は必要ありません)。
(改正1)の適用を受けて、登録日から課税事業者となるインボイス発行事業者(登録日が令和5年10月1日の属する課税期間中である者を除く)については、翌課税期間から2年間は免税事業者となれないこととなりました。
輸出物品販売場(免税店)において、免税で購入することができる非居住者の範囲が見直されました(令和5年5月1日より)。
(免税購入対象者)
1)「短期滞在」「外交」又は「公用」の在留資格を有する非居住者
2)国内に2年以上住所等を有しない日本国籍を有する非居住者
(戸籍の附表の写しや在留証明などの書類が必要)
さらに、免税購入対象者が行う旅券情報の提供は、デジタル庁が整備する「訪日観光客等手続支援システム」を用いて行うことができることとなりました。
自動車重量税におけるキャッシュレス納付制度の創設、航空機燃料税の税率の見直し、沖縄県産酒類(泡盛やビールなど)に係る酒税の軽減措置の段階的廃止等など。